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台湾の再審査加速審査プログラム(AEPRe)の実施について



お知らせ:台湾の再審査加速審査プログラム(AEPRe)の実施について
   
   台湾の特許出願制度では、実体審査(以下、初審査)で拒絶された特許出願が、再度審査を受けるためには、再審査を請求しなければなりません。台湾の知的財産局によれば、再審査で1回目の通知書が発行されるまでに要する期間は約10.1ヶ月であり、査定までには約13.1ヶ月を要します。知的財産局は、この度、特許出願の再審査を迅速化するため「特許出願の再審査加速審査プログラム」(以下、AEPRe)の試行(試行期間:202491日から1年間)を開始しました。このプログラムは、初審査の拒絶査定で、一部の請求項に拒絶理由がないと認められた特許出願の再審査請求のみに適用されます。出願人は、再審査にあたりこのプログラムを利用して、拒絶理由がない請求項に限定する補正を行うことにより、早期の権利化を図ることができます。
 
以下に、AEPReの主なポイントをご説明します。また、当所にて作成した、台湾知的財産局「特許出願の再審査加速審査プログラムの説明」の日本語訳を添付いたしますので、どうぞ併せてご参照ください。
 
一、適用対象:
 
再審査を請求した特許出願であり、初審査の拒絶査定において一部の請求項に拒絶理由がないもの
 
二、申請手続
 
まず、特許法第49条の規定に基づき、特許請求の範囲を補正するとともに再審査を請求し、その後「再審査開始通知書」が送達されてから1回目の「再審査審査意見通知書(拒絶理由通知書)」が発行されるまでの期間中にAEPReを申請します。AEPRe申請の手続きに庁手数料は不要です。なお、当所の手数料はNT$2,500となります。
 
再審査請求とともに提出する特許請求の範囲の補正は、初審査で拒絶された請求項を排除したものでなければならず、即ち、以下の態様を満たす必要があります。
 
1.  拒絶理由がある請求項を削除する。
 
2.  拒絶理由がない従属項を独立項(又はその独立項に従属する従属項)に書き換える。
 
なお、補正にあたり、請求項の順番や従属関係を調整したり、新しい従属項を追加したりすることは可能です。
 
AEPReの申請書には、以下の事項を記載します。
 
1.  出願番号
 
2.  特許法第49条に基づき行った補正の全てがAEPReの規定を満たしているという声明
 
三、審査スケジュール
 
AEPRe申請が要件を満たしている場合、知的財産局は、出願人に通知することなく加速審査を開始し、AEPReの申請から6ヶ月以内に、拒絶理由通知書又は特許査定書を発行します。
 
要件を満たしていない(出願がAEPReの適用対象でない、申請可能期間外である、補正がAEPRe規定を満たしていない、など)場合、知的財産局より、AEPReの要件を満たしていないため、加速審査ではなく、通常の審査を行う旨の通知がされます。ただし、要件を満たすように修正可能な案件(例えば、再審査請求時の補正で、初審査で拒絶された請求項を排除しきれなかったものを、完全に排除するように補正する)の場合は、1回目の再審査審査意見通知書(拒絶理由通知書)が発行されるまでであれば、再度AEPReを申請することができます。
 
なお、AEPRe申請の受理は、必ずしも特許査定を保証するものではなく、知的財産局が先行技術文献に基づいて、補正された請求項の特許性を審査する点は従来と同様です。
 
四、むすび
 
AEPReを利用した場合、AEPRe申請から1回目の審査意見通知書が発行されるまでの期間が、通常の約半分の6ヶ月以内と大幅に短縮され、審査の効率化及び迅速化が期待できますので、申請要件を満たす案件であれば、AEPReを積極的に活用することをお勧めいたします。
 
ご質問、お気づきの点、ご要望等ございましたら、弁理士 郭家佑(kjy@leeandli.com)又は弁理士 李儀珊(lisali@leeandli.com)までお気軽にお問い合わせください。
 
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